説教 2007年3月


「土台の大切さ」

「拠り所がこわされたら、正しい者に何ができようか?」
詩篇11:3

  AIG代表のケン・ハム氏は、そのメッセージの中でしきりにこの聖句を引用し、本来、キリスト教精神を土台として建てられたアメリカが、今やヒューマニズム思想によって破壊されつつある現状に対し、警告を発している。その土台はひとへに聖書であり、神の言葉を絶対と信じる信仰である。
 では日本はどんな土台の上に建てられているのだろうか? アメリカとは正反対に、そこにあるのは徹頭徹尾、人間中心の世界観であり、人生哲学だ。日本人は、自分がどこから来て何処へ行くのか、誰も知らない。分かっているのは、今ここに自分が生きている、ということだけである。当然、宿命を嘆くだけの現世主義的な人生観にならざるを得ないのだ。

 さて、神の言葉は世界は神の創造によると教える。人も世界も偶然に存在しているのではない。そこには、意味も目的も初めからちゃんとあるのである。しかるにアメリカは今その事実を否定し、無神論的世界観にしがみつこうとしている。
 残念ながら、日本にはもともとこの土台がなかった。世界一、「進化論」が定着した国と言われるのも、また当然であろう。私達は皆その影響を無意識の内に受けている。人生は運であり、偶然の連続だと考えるのである。そして確固たる土台なしに建物を建てれば、どんな結果が待つかは誰にも明白である。昨年の耐震強度偽装事件は日本の社会に大きな衝撃を与えたが、私達の人生も全くそれと同様なのだ。
 日本人伝道は、日本人の心の畠を耕すことから始めなければならない。不毛の地にただ種をまいても、芽を出すことは不可能である。ひとりひとりのクリスチャンが、その生活を通して聖書の価値観や生き方を、大胆に伝え示していかなければならない。そうすれば日本人の心の目が開かれ、見えるものから、見えない永遠なるものに、心を向ける日が必ずやってくると信じるからである。

鈴木栄一 牧師

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