説教 2007年7月


「神とその恵みのみことばとにゆだねます。」

使徒20:32

  パウロはエペソの教会の長老たちとミレトで落ち合い、別れの言葉を贈った。彼にとっての最大の関心事は、「神がご自身の血をもって買い取られた神の教会」の存続と発展であった。そこで凶暴な狼や異端者たちの活動に彼らの注意を向け、教会を守りぬくようにと訓戒したのである。
 長老達は任命者なる神の権威の元に立てられ、神の教会の牧会に当たる人たちだ。この教会は神の所有であって、いかなる意味においても、人間による私物化を許さないものである。
 教会の使命は、何と言っても弟子作りと伝道にある。そこでは、ひとりひとりの信徒の霊的育成こそが急務となるのである。そのために、パウロは先ず身をもって範を示し、試練の中で恵みの福音の証しに奮闘したのだ。

 今や「私の顔を、あなたがたはもう二度と見ることがない」と告げた後、万感の思いを込めてパウロは、彼らを「神とその恵みのみことば」とにゆだねたのである。

 地上の教会が平穏無事であることは、決してないであろう。そこは「ほえたける獅子のように獲物を捜し求める」悪魔の戦場なのだ。「身を慎み、目を覚まし、堅く信仰に立って」この悪魔に立ち向かうことなしに、地上の教会に勝利はないのである。

 11年にわたって仕えさせて頂いたホノルル教会に、私もひとまずの別れを告げる時が来た。これからの道は、主が備えていてくださる。新しいレベルでの、次ぎの奉仕に期待している今日この頃だ。今までに主が学ばせて下さった多くの知識と経験を、今後に十分に活かしてゆきたいと願っている。
 間もなく教会を去るに当たり、私もパウロに倣って「神とその恵みのみことばに、あなたがたをゆだねます」と語りたい。人間は代っても、神と恵みのみ言葉は変わることがない。私たちがよって立つ土台は不変なのだ。この土台に堅く立ち、ますます主の業に励んでいただきたいと願う。

鈴木栄一牧師

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